広島のお盆時期になるとお墓に飾られる盆灯篭
この盆灯篭は広島の一部地域だけ、毎年お盆になると飾られる灯篭で
県外の人からすれば「何あれ?」と驚かれるし
実際広島に住んでいる人達も毎年当たり前のように飾るので
盆灯篭って何?って聞いても「毎年飾るもの」としかわからないこともしばしば・・・
今回はこの盆灯篭について、実際に広島に住んでいる祖父に聞いたことも含めてお伝えします。
広島の盆灯籠、起源は何?
盆灯篭の起源は広島の浄土真宗、安芸門徒が広めたと言われています。
広島は昔、安芸の国と言われていてその安芸の地域にいる浄土真宗宗派の人達が広めました。
昔、娘が亡くなったのを悲しんでお盆の時期にお墓に備えたのがキッカケと言われているそうですが
安芸門徒が広めたことはわかっていてもキッカケは完全にはわかってないそうです。
地域は広島県すべてで飾るのか?というとそうではなく
西は山口県と県境の大竹まで、山口県に入ると山口県側で広島に近い岩国では夏に盆灯篭を飾ってはいません。(ごくたまにありますがほとんどない。)
では東はどこまでか?というと尾道ぐらいから一気に減ります。
広島県の中でも広島市を中心に広がっている風習です。
昔はどんなことをしていたの?
お盆の時期、お墓参りに行くまえに盆灯篭を買ってお参りに行きます。
盆灯篭はスーパーやコンビニ、地域のデパートなど、お盆が近づくと普通に売られるようになるので
販売しているお店が決まっていたり、お寺でしか買えないというようなことも無く手軽に買えます。
そして買った灯篭を持ってお墓に着くと、お墓の周りに盆灯篭を差す穴があるので灯篭を差してお参りします。
灯篭という名前が付いていても火を付けるということは無く、そのままお参りが終わると灯篭はそのままで帰ります。
灯篭を差せる場所は4箇所~6箇所ぐらいしかないので親戚が多い家族だとお参りに行った時、すでに他の親戚が灯篭を差していて自分たちが持っていったものが差せないということもあります・・・
お盆の時期が過ぎると灯篭は処分されます。
家の敷地内にあるような昔ながらのお墓の場合は家族が処分
集団墓地の場所だとボランティアでお墓の面倒をしている地域の方が全部まとめて処分していることが多いです。
今の盆灯籠はこんな感じ
祖父に聞いた話だと
現代では灯篭に火を灯すことはありませんが、昔は夕方、暗くなってきてからお墓にある灯篭に火を灯にお墓に歩いていったそうです。
そして一度自宅に帰り、1時間ぐらいしてまたお墓に行き、火を消すということをしていました。
昔は家の近くにお墓がある家もたくさんあり、火をつけに行くのも消すのもそこまで距離が離れているということはなかったそうですよ。
ただ、盆灯篭は紙や竹で出来ているのでかなり燃えやすく
火の始末がちゃんと出来ないと簡単に火事になったそうです。
集団墓地だと火をつけた後、帰ったとしても
ボランティアで「火の番」をするような人達もいたそうですが
それでもボヤ騒ぎが多くあり、「火を着けるのは危ない」となり
だんだんと盆灯篭を飾るだけになっていったそうです。
まとめ
広島のお盆の風物詩とも言えそうな盆灯篭
最近では灯篭がゴミになるから飾ってはダメというお寺や集団墓地も増えてきています。
もしかしたら数十年後には消えてしまうかも、しれません。